短歌
sanctus,sanctus 黄金(きん)の西日差す便器の白き肌を讃えよ
投稿分 ホームとの隙間に潜む眼差しが呼んでいるから群集になろう 新規 六畳が広くて広くて広くて広くて(広くて広くて)――谺?
脳髄をオートマトンに引渡しマネキンになるための街角 改作→脳髄を自動人形(オートマトン)に売り渡し人形(マネキン)になれる病院はどこだ 葬儀屋の車が走る老人と死人ばかりが棲む家並みを
泣き顔に見えるのだろうバックルに歪んで映るこの表情は 変わらないものなど何も無いように変わるものなぞ一つきりない どう見ても左脳で詠んでいます、本当にありがとうございました。
(マゾヒストなんだ……)日焼けに火照る身を42℃の風呂へ投げ込む 植物になりたい、なるたけマイナーで毒草マニアは知ってるような 「いったい何がしたいんだろう」なんて呟く三度目の戌は俺
・どうしても三句切れにしてしまいがちなのをどうにかする。 ・内容に即した音韻を心がけたい。 ・かっこつけない。
一度だけメイドと飲んだあのバーが潰れたという カチューシャよ何処 どろどろとカートに引かれて年寄りよ今更どこへ行くと言うのだ ジーンズの女よ振り向くことなかれその曲線がお前の全て
月曜の空が高くてどこまでも青くて鼻持ちならない朝だ おもむろに火曜はカレーの日と決めて水中メガネを買いに走った 失敗の記憶はみんな水曜で芋づる式にみぃんな出てくる 元カノのメル友だったあのひとは木曜みたいな色合いでした バーボンを飲み干すだけ…
一生をうやむやのまま逃げ暮らし煙のように消えてゆきたい
元日の空が青くてどこまでも高くて今年が嫌になった
嘘ばかり重ねて生きた二年間、カサブタ剥がして食べるみたいで
日本酒が抜けてくれない朝方に胃液の臭いを噛み殺してた
革命を声高にする若者も着ているものは量販店で いくらかの共産主義の学生がベルリンの壁に取り残された やわらかい真っ白な手の若者がアジビラを撒くよく晴れた午後 結局はサル山のボスになりたがる 資本主義者も共産主義者も
消えかけた左直レーンの矢印が1/2に引き裂いている
アクセルを踏んで悩みも内臓も後ろに置いて吹っ飛んでいけ
「ハンドルを切れば惨事」の衝動が肩甲骨の間で疼く
前を行くテールランプの誘惑にアクセル戻す夜の山道
目の前のテールランプがチカチカと俺の正気に警鐘鳴らす
ひとごとの様に過ぎてく毎日はゴムつけてしてるみたいな感じ
人の金で美味い魚を食ったから今はなんでも許せる気分
存在の軽さに思考をめぐらせる余力すらない吐き気なのだ
サルトルの思想は理解できないが吐き気だけなら共有できる
なにひとつ根本的な解決になっちゃあいない、なっちゃあいないが
猫追尾マシンになって近所中追い掛け回し癒されてたい
一つだけいいこと思いついたけど猫に餌をやったら忘れた →一つだけいいこと思いついたけど猫に餌をやってて忘れた(9/17)
首を横に振っては全部諦めて堂々巡りする扇風機 キーボードを這いずり回る指先も思い通りにならないなんて 何一つ明るい歌を詠んでないことに気づいて八月も終わる
道端に生えてた草が枯れていた 今年も夏が終わってしまう
焦燥と空虚を足して二で割って自棄と怠惰に味付けている
排泄と愛の境が曖昧になって吐き気がしたので休憩
六十年前の悲劇は知ってるが 式に出るほど深刻じゃない 黙祷の合図にまぶたは閉じたけど何を想えばいいのだろうか